FD3S RX-7に乗ってる方なら、1度はやってみたくなる「ワイドトレッド化」。
見た目の迫力もアップして、ツライチに近づけるとテンション上がりますよね!
でも実はそのカスタム、ハンドリング性能に意外な落とし穴があるかもしれません。
今回はサーキットユーザーだけでなく、ストリートユーザーにも参考になるFD3S RX-7のホイールオフセットについて解説したいと思います。
純正ホイールのオフセット「+50」で「+22」を入れたらどうなる?
今となっては純正エアロスタイルも令和仕様?で増えてきました。実際にすごくカッコイイですよね!
それでもやっぱり雨宮ワイドボディ、TCPマジックのワイドボディなど憧れる方も多いかと思います。各メーカーさんのエアロ入れてカッコよくしたいと思うFD乗りも多いでしょう。

ワイドボディにする場合、必ず出てくる話がホイールのツラ、いわゆるホイールのオフセットの変更ですが、これには「この値のものを選んでおけばOK」というのがもう決まっています。
まず、FD3S RX-7の純正のフロントホイールのオフセットは「8J+50」。
フロントフェンダーをワイドボディ用にした場合、引っ込んでしまうために外側へ出したくなるはずです。それを「+22」などのオフセットのホイールに変えると、タイヤが外に出る分、見た目は確かにカッコよくなります。

以上です!
・・・とはなりません笑
実は「+22」のオフセットを選ばれる方も多いですが、これには注意がありますのでそこを知った上で選択されることを強くおすすめします、というのが今回の本題です。
まずはスクラブ半径を知りましょう
「スクラブ半径」って言葉を聞いたことがありますか?これはハンドリングに大きく影響するもので、ツライチを目指して攻めたオフセットにしすぎると、この影響が無視できないレベルになってしまうんです。
スクラブ半径ってなに?具体的な症状は?
ざっくり言うと、「ハンドルを切る軸」と「タイヤが接地する位置」のズレのこと。

このズレが大きくなると、ステアリング操作による初期レスポンスがワンテンポ遅れるようになってしまいます。
って言われても実際どうなの?って話になると思いますが、サーキット走行時で具体例をあげると
- コーナー進入で思ったよりフロントが入ってこない
- 初期のレスポンスが悪くなる
- 舵を入れてからの待ち時間が長くなる
- 曲がりはじめの反応が悪くなる
- あれ?こんなにアンダー出たっけ?って感じるかも
- 運転しててちょっと違和感
- 路面のギャップやブレーキ時に、ステアリングが落ち着かない印象に
- ステアリングも重くなる
- ハンドルを取られる、など
もしかしたらすでにこの症状に気付かずに乗っている人・そうなっているFD3S RX-7は多いかもしれません。
・・・いえ、絶対にかなりの人がそうだと思います。
ワイドタイヤの恩恵でスクラブ半径のネガに気づかない事例多数
なぜならホイールの交換と同時に、ワイドなタイヤやハイグリップタイヤ、Sタイヤなどに変更することでタイヤ性能が上がってしまうからこの症状に気づきにくいんです。

逆に言うと、この部分を理解して元々のポテンシャルをちゃんと発揮できるサイズのホイールをチョイスしてあげることで更にハイグリップでレスポンスの良い車両を作ることが出来ると思います。
とはいえ、極端なことをいうとスクラブ半径は操作性が悪いだけで乗ってしまえば走れるかもしれません。けど、操作性が悪いということはサーキットを速く走る上では致命的で、操作性が悪いことでの失敗が多くなります。
皆さんよく『進入でアンダー出しちゃった。。』という話をしている事があると思います。それももしかしたらあなたの失敗ではなく、車の性能、いえ、ワイドトレッド(オフセット)がゆえにそうなってしまっているのかも?

FD3Sってもともとシャープな動きが魅力のクルマなので、この変化は結構大きく感じちゃうんです。
車検のときにノーマルホイールに戻したら、「なんだかすごく軽快なんだけど!」って思ったこと、ありませんか?
それはつまりそういう事なんです。じゃあ、どうすればいいの?もちろん見た目も大事。そこで、GLOWが考えるベストな選択は以下の通りです。
ワイドボディのFD3S RX-7におすすめしたいホイールサイズとオフセット
サーキット派におすすめのホイールサイズ
フロントホイールのオフセットは最低でも+35以上にする。(+35~+50)リアのオフセットはツライチでもOK。

今どきの仕様でチョイスするなら
- 265サイズの場合:9Jが理想
- 295サイズの場合:10Jが理想
あくまで僕のイメージですが、フロントタイヤは少しでも引っ張る形状にしてしまうと、初期のレスポンスがなくなり、ターンインの反応が悪くなります。
世間的に言われているサイズより0.5-1Jくらい細いですね。でも騙されたと思って乗ってみてください。フロントがイメージしたラインをトレースしてくれると思います!
ストリート派におすすめのホイールサイズ
フェンダー内に納まる好きなサイズをチョイスしてください。カッコイイのが1番です笑

それでも快適性や本来の動きを楽しみたいあなたは、サーキット派と同様のサイズをセレクトするのがおすすめです。
いずれにせよ、このオフセットやホイールサイズはある意味でワイドボディのFD3S RX-7の黄金比だと思います。乗ってみればきっと、今回お伝えしている内容がご理解いただけるかと思います!
まとめ
いろいろ書きましたが、結局のところはチューニングやカスタムに正解はありません。自分の車ですし、好きに弄ればいいと思います。
SNSが盛んな時代ですから、周りからあれこれ言われることもあるかもしれません。でも、自分の車なんですから人に迷惑を掛けなければ誰に何と言われようとも自分のスタイルを貫けばいいと思います。
しかしながら、ホイールサイズを検討する上では上記の内容を理解したうえでチョイスするのと、ただ闇雲にチョイスするのでは、全く違った結果になるかもしれません。
ここまで読んでいただいた方は「見た目も良くて走りも快適」なFDライフが楽しめるはずです!笑
ホイールは複数持つ強者もいらっしゃるかと思いますが、決して安い買い物ではありません。十分にサイズを検討の上、自分の理想に合ったホイールを探してみてください。


必要があれば、GLOWでもさまざまなホイールを取り扱っておりますので、ここでは書ききれないくらいにニッチな内容を含めてご対応させていただきます。その際にはぜひ笑